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在留特別許可

在留特別許可

平成21年7月に、法務省入国管理局は在留特別許可に関するガイドラインを改定しました。
改訂版ガイドラインの記載や、実務におけるポイント(※)は以下のとおりです。

積極要素について

在留特別許可

積極要素については、入管法第50条第1項第1号から第3号(注参照)に掲げる事由のほか、次のとおりとする。

1,特に考慮する積極要素

(1)当該外国人が、日本人の子又は特別永住者の子であること
※ここでいう子は、養子ではなく実子を意味します。

(2)当該外国人が、日本人又は特別永住者との間に出生した実子(嫡出子又は父から認知を受けた非嫡出子)を扶養している場合であって、次のいずれにも該当すること
ア当該実子が未成年かつ未婚であること
イ当該外国人が当該実子の親権を現に有していること
ウ当該外国人が当該実子を現に本邦において相当期間同居の上、監護及び養育していること
※単に当該子の親権を有しているだけでなく、日本において相当期間同居のうえ、監護及び養育している事実が必要です。

(3)当該外国人が、日本人又は特別永住者と婚姻が法的に成立している場合(退去強制を免れるために、婚姻を仮装し、又は形式的な婚姻届を提出した場合を除く。)であって、次のいずれにも該当すること
ア夫婦として相当期間共同生活をし、相互に協力して扶助していること
イ夫婦の間に子がいるなど、婚姻が安定かつ成熟していること
※婚姻関係が実体をともなうものであることが最重要です。婚姻の実体の存在を基礎付けるものとして、同居の事実が重視されます。入国警備官により実態調査が行われることもあります。

(4)当該外国人が、本邦の初等・中等教育機関(母国語による教育を行っている教育機関を除く。)に在学し相当期間本邦に在住している実子と同居し、当該実子を監護及び養育していること

(5)当該外国人が、難病等により本邦での治療を必要としていること、又はこのような治療を要する親族を看護することが必要と認められる者であること
※難病等により日本での治療が必要という程度は、「日本での治療の方がより望ましい」というレベルではなく、医療水準、技術等の観点から「日本での治療が不可欠」というレベルが必要と考えられます。

2, その他の積極要素

(1)当該外国人が、不法滞在者であることを申告するため、自ら地方入国管理官署に出頭したこと

(2)当該外国人が、別表第二に掲げる在留資格(注参照)で在留している者と婚姻が法的に成立している場合であって、前記1の(3)のア及びイに該当すること

(3)当該外国人が、別表第二に掲げる在留資格で在留している実子(嫡出子又は父から認知を受けた非嫡出子)を扶養している場合であって、前記1の(2)のアないしウのいずれにも該当すること

(4)当該外国人が、別表第二に掲げる在留資格で在留している者の扶養を受けている未成年・未婚の実子であること
※「永住者」、「定住者」と婚姻した外国人に対し在留特別許可が与えられる際の当該外国人の連れ子を想定したものです。

(5)当該外国人が、本邦での滞在期間が長期間に及び、本邦への定着性が認められること
※ここでいう長期間は約20年程度を意味します。

(6)その他人道的配慮を必要とするなど特別な事情があること

消極要素について

消極要素については、次のとおりである。

1,特に考慮する消極要素

(1)重大犯罪等により刑に処せられたことがあること
<例>
・凶悪・重大犯罪により実刑に処せられたことがあること
・違法薬物及びけん銃等、いわゆる社会悪物品の密輸入・売買により刑に処せられたことがあること

(2)出入国管理行政の根幹にかかわる違反又は反社会性の高い違反をしていること
<例>
・不法就労助長罪、集団密航に係る罪、旅券等の不正受交付等の罪などにより刑に処せられたことがあること
・不法・偽装滞在の助長に関する罪により刑に処せられたことがあること
・自ら売春を行い、あるいは他人に売春を行わせる等、本邦の社会秩序を著しく乱す行為を行ったことがあること
・人身取引等、人権を著しく侵害する行為を行ったことがあること

2, その他の消極要素

(1)船舶による密航、若しくは偽造旅券等又は在留資格を偽装して不正に入国したこと
(2)過去に退去強制手続を受けたことがあること
(3)その他の刑罰法令違反又はこれに準ずる素行不良が認められること
(4)その他在留状況に問題があること

<例>
・犯罪組織の構成員であること
※入管法違反以外の刑罰法令違反があっても、その一事のみをもって在留区別許可の可能性がなくなるわけではなく、罪状によります。